今、私の家には一頭の山羊がいます。二歳のオスで名前はユキオ君。
実は、2017年10月のはじめに恵那市串原町に住む友人が、SNSを通じて「家のまわりの草を食べつくしてくれたので、どなたか当面の間、草が豊富にあるお宅であずかってもらえないか」と呼びかけたことがキッカケでした。
夫と相談して、家の周りの除草隊として預かることになりました。
夫は子供の頃、家で雌の山羊を飼っていて、乳しぼりは自分たち子供の仕事だったと懐かしそうです。
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レンタル山羊さんを迎える
ユキオ君を迎え入れるために、薪小屋の一角をシートで囲いました。塩とお水。
首輪につけたロープを鉄杭につなぎ、土に埋めて、草のある場所に放牧しました。
とっても人懐こく私たちが見えなくなるとメエメエと鳴くのです。
寂しがりやなのかしら? そう言うと、インターネットで調べた夫は言いました。
山羊は群れで過ごす動物だから、本来は一頭飼いではなく、二、三頭で飼うほうが良いそうだよ。
ヨーロッパでは、一頭飼いは虐待と見なされる国もあるらしいと言います。知りませんでした。
こうして山羊との暮らしが始まりました。朝は、小屋の中の糞をかたずけて綺麗に掃除する。
草のある場所に首輪をつけた綱を引きながら、移動させて陽が傾くころには山羊小屋に戻す。
お水を毎日代えたり、雨の日は、山羊は外にでるのを嫌がるので、野菜くず、収穫の済んだサツマイモの蔓をおいてあげます。
村のみんなの人気者
近所の子供たちが、遊びにくるとユキオ君は大喜びで、前足を高くあげてジャンプします。
村の人たちも通りすがる時にユキオ君~と声をかけてくれるようになりました。
名前を呼ぶほどに「メエー」と応えてくれます。犬と同じでしっぽを振って喜びを表すのですね。
だんだん可愛さが増してきました。
畑で農作業をするときも、ユキオ君が草を食べる風景を眺めながら、ああ、癒されるなあ。
家族が増えたようで幸せな気分でした。
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ユキオ君に異変がおきた
雨の日が続きました。なかなか外に出すことができず、小屋の周囲の草を食べてもらう日々。
数日後、晴れたので外に放牧しようとした夫が、ユキオ君の異変に気付きました。
おかしい。食べ物を吐いたようだ。元気がなくよろよろしている。何か悪いものでも食べたのだろうか。
次第に容体は悪くなっていくばかり。心配した夫はあちこち調べて畜産センターの獣医さんにきてもらいました。
飼い主さんにも連絡すると「以前、隣の家の柘植の木の葉を大量にたべて、吐いてしまったことがある。」と教えてくれました。
獣医さんの処方で元気回復
あ。柘植。たしかにありました。
獣医さんは直ぐにかけつけて下さり注射を三本とお薬を二回分出してくれました。
恐らく何かの毒草を食べたのでしょう。しばらく様子を観ましょうと帰られました。
飼い主さんも、車で40分かかる串原町から見舞いにきて下さり「プロポリス液」を置いていかれました。
以前、これを飲ませて快癒したからだと言います。「預かっている山羊」という事もあり、なんとか早く元気になるよう祈る気持ちでした。
翌日。ユキオ君は見事に回復しました。あれほどぐったりしていたのにむしゃむしゃと草を食べています。
その姿を見て、心から安堵しました。近所の人たちも心配して声をかけてくれました。
家畜とペットで治療費は大違い
獣医さんは翌日も「治療代納付書」を持参しがてら様子を観にきてくれたようです。
置手紙がポストに入っていました。その文面から、優しさを感じました。
私たちは、おそるおそる納付書を開けてみました。
実は夫も私も保険診療ではないので軽く一万円以上はかかると踏んでいたからです。
ところが請求代金は三千円弱。
ペットと家畜ではまったく扱いが違っていました。
ユキオ君は家畜扱い。だから行政からの補助がでるのでした。ともあれ良かった。
夫は図書館から「山羊を飼う」という本を借りてきて毒草を調べました。
山羊が食べてはいけない毒草の知識
つつじ。なんてん。じんちょうげ。すいせん。あせび。つげ。ひなげし。えにしだ。しきみ。
ほかにも数種類以上ありました。
なんとそのうち六種類の植物や木が、小屋の周囲にあったのです。
写真は馬酔木。なんと我が家の庭にありました。しらずにユキオ君がたべていたのです。
ごめんねユキオ君。
ユキオ君のおかげで、植物に対する知識、見方が変わってきました。
生き物を飼うということに対して、きちんと情報を収集する重要性。
それが動物への愛なんですね。
あらためて大切なことをした感じました。2017年11月28日記
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