小さな演奏会を手はじめに
東京府中から夫の郷里の恵那市岩村町にUターンしてきたのは2015年7月。
私は村の人々にご挨拶の気持ちをこめて我が家で小さな演奏会を企画しました。
お隣の奥さんに「とても珍しいクリスタルボウルという楽器をもっているのだけれど、村の人に聞いて欲しいと思う」と相談すると彼女は一つ返事で村のご婦人たちに声をかけてくださいました。
あれよあれよと言う間に10名以上のご婦人が我が家に集まってくれました。
夫の義母は10数年前に他界したのですが、生前、親しかった村のご婦人たちは口々に
「葬儀から何年ぶりでこの家にあがらせてもらうんだろう」と懐かしがっていました。
皆さんは家で採れた大根や白菜、漬物などを持参して「演奏のお礼」の気持ちとして手渡してくれました。とっても嬉しかったことを覚えています。
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クリスタルボウルはどんな楽器なのか
クリスタルボウルは100%水晶でできたものです。高温で溶かして成型したもの。まるで大小様々なサラダボウルの様です。
水晶以外の鉱物、カイヤナイトやアメジスト、ルビーなども混ぜこんだものもありアルケミーボウルと呼びます。
大きさもそれぞれで私の所持するクリスタルボウルは四つ。ほとんどがアルケミーボウルです。
人間の身体は6割ぐらいが水分で構成されていると言います。体液、血液、リンパなど。クリスタルボウルの優しい細やかな振動は、その部分や筋肉などにも届き、凝り固まっていたり流れにくいところを優しく通したり、ほぐしてくれるのでしょう。耳で聞くという以上に、身体と心で感じる癒しの楽器なんですね。
2011年クリスタルボウルで東北被災地巡礼の旅
実は2011年の6月、アメリカカリフォルニアの北にあるマウントシャスタというネイティブアメリカンの聖地のある町に旅行した際にこのクリスタルボウルを買い求めました。
ちょうどその年の3月、日本は東北大震災と津波による被害で世界的にも大きなニュースになりました。
シャスタの町にあるクリスタルショップの女性オーナーが、購入の際に「ぜひ日本の被災地でクリスタルボウルを響かせて祈り、癒しを届けてください」と挨拶し手渡してくださいました。
その秋、私と夫はクリスタルボウルを車に積んで東北被災地巡礼の旅に向かいました。
友人の住む宮城仙台、福島、岩手、そして私の郷里である青森県八戸市で亡くなった方々の慰霊と生き残った方々にクリスタルボウルを響かせながら癒しを届けてきました。私の生家も一階部分が津波の被害にあいました。郷里の兄たちにも聞いてもらいました。
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村の婦人たちの感想
さて。村のご婦人たちは興味深々でクリスタルボウルを触ったり覗いたりしています。私は「この楽器は床に寝そべって聞いてもらうほうが身体に響きますよ」と伝えると「へえ。寝て聞いていいのかい」と皆さん横になりました。
演奏前に心の中で「私たちをこの村に迎えてくださって有難う。どうぞクリスタルボウルの倍音の響きで癒されてください」と祈りながら演奏しました。
クリスタルボウルは、マレットという羊の皮で包まれた棒で静かに叩きます。音がずっと遠くまで響いていきます。さらにボウルの淵をマレットでゆっくりこすると、音が次第に円をえがくように広がって、クリスタルボウル同士が共鳴しあい、倍音が生まれて身体にその振動が伝わります。
「宇宙に漂っていたみたい」「頭から波がきて、身体を突き抜けていったよ」
「手も足もあるのに無い。そんな感覚。あれ痛いところ感じない。不思議だね」
「今までこんな音、聞いたことないよ。千恵ちゃん(私のこと)珍しいものを聞かせてくれて有難う。冥途の土産になるよ」と80歳代のお婆さんが笑っていました。
こうして転居してはじめて。村の人々に届けることができました。
それからは、次第に演奏して欲しいと声がかかるようになりました。
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